女優の樹木希林さんが亡くなった。9月30日(日)に葬儀が行われた。私も列席した。
とてもお世話になったし、いろんなことを教えてもらった。この日は台風が来るというので葬儀も中止になるのではと言われていた。
それも、中目黒のお寺(光林寺)でやる。お寺の前に人が大勢集まるのだろう。雨が降ったら大変だな、と思っていた。とても並べない。といって、皆、中に入ってもらうわけにもいかない。
この日は他にもいくつか行事があった。でも、時間は重ならない。樹木さんの葬儀は午前10時からだ。こんなに早いのも珍しい。
歌手のPANTAさんが、「一緒に行きましょう」と、落合まで車で迎えに来てくれた。助かった。
10時から、12時半で終わり、そこから私は新宿へ。河合塾コスモで全体会議が2時まである。
それが終わって、今度はロフトプラスワンだ。「大島てるがやって来る!! 事故物件ナイトvol.22」だ。
これも本当にやるのか。危ない。行ってみて中止だったじゃ、目も当てられない。
コスモの会議は終わった。一度行ってみた。5時前なのに、もう大島てるさんは来ていた。「今日はぜひやりましょう」と張り切っている。
JRの電車は8時で止まるらしい。「それまでに終えるでしょうね」と言うが、ちょっとムリのようだ。
8時過ぎても、地下鉄は動いているし、私は帰れる。それに、家まで歩いても帰れる。大島さんは「お客さんはなんかあったらホテルかカラオケにでも泊まってもらうんじゃないでしょうか」と言う。
しかし、6時の時点でも、半分以上の人がいた。大島さんのライブはいつも170人ほどが集まり、満杯だそうだ。
7時半開始なので、時間になったら、さらに集まるんだろう。その人たちは、「もうどうなってもいいという固い決意の人ばかりだ。熱烈なファンなのだ。
「はい、分かりました。じゃ、今日は断固、やりましょう」と決意し合って、一旦、外に出た。食事をして、夜の闘いに備えた。
新宿も、人が全く通ってない。そして、店には全て「8時で終わります」「7時で閉めます」と書かれている。やっているのはロフトだけだ。
食事を終えて、7時過ぎにロフトに戻った。ビックリした。満員だ。ロフトが満杯なのだ。
聞くと、東京だけでなく、「名古屋から来た」「大阪から来た」という人もいる。
凄い。これじゃ台風でも帰れない。「どうにでもなれ!」という気分なのか。いやいや、熱烈なファン根性ですよ。
そうだ。司会はDJ急行さん。かつて私の右翼vs左翼のライブにも来たことがあると言っていた。とても勉強家だ。
大島さんのライブは私は初めてだ。難しい本は随分と読んでるし。だから、一度会いに行ったことがある。
「大島てる」は女性名だが、実は男だ。「てる」とは自分の本当のおばあちゃんの名前らしい。
今日の大島さんもそうだろうが、東京の人は、ほとんどが地方から来ている。そして、アパートやマンションを借りて住んでいる。
ところが、そこが〈不良物件〉だった場合だ。つい先月、自殺した人の部屋だとか、ヤクザの部屋があって人が殺されたとか。人違いで、殺されるかもしれない。
だからアパート、マンションの管理人は必ず、その情報を知らせる義務がある。そうでないと大変なことになる。
中には知らせないで、住居人を募集してる人もいる。それに対して、大島てるさんは自分の情報をサイトに載せている。住む人には正しい情報を知らせる必要があると思っている。
大島さんのやっている「事故物件ナイト」には昔から興味があって、いろんなとこで話を聞いていた。
私のアパートだって、「事故物件」かもしれない。そんな話を大島さんにした。私のせいで人が入らないとしたら心苦しい。
又、ヤクザの事務所として使っていて、あるいは新左翼、右翼の事務所として使っていて、もめて、事件になることもある。
隣にいる人も、「何だ」と思っていたら、いきなり、巻き添えで殺される。そうなると大変だ。同じアパートの人は安心して眠れない。
それに、平和を守るべき公安も守ってくれない。
敵対党派がターゲットのアパートが見つけられない時、公安は教えてやる。それで警察が手引して、事件を起こしているのだ。
これじゃ彼らも「殺人」をしているのと同じだ。残酷だと思う。それに反対する人が一人もいないのか。
公安は「公共の安全」を守るというが、「日本の安全」を守っているのではない。左右がもっと暴れ、日本人が不安になり、そして我々「公安」がいることで日本を守っているという自己満足があるだけだ。
ロフトプラスワンでは、そうした左右の話がありました。だってお客さんは一般の人だけだ。それも女性が多い。
どんなに偉い人でも、忙しい人でも、夜、寝るときは落ち着いて寝たいと思う。安眠の時間が必要なのだ。そのためにアパートやマンションを借りている。
公安が「敵」をおびき寄せているなんて、ひどい話だ。公安なんて日本に必要はない。公安がいるので安全が守られているのではない。逆だ。彼らこそが「犯罪者」なのだ。
ロフトのライブは、ハラハラ、ドキドキの話で一杯でした。お客さんからの質問もかなり多かった。
そしてやっと終わったのが10時半。台風でJRは止まっている。私は地下鉄大江戸線で帰った。
そうだ。午前中のことをもう少し書いておこう。樹木希林さんの葬式だ。お寺に着いたら、お寺の周りをぐるりと囲んで長い長い列が出来ていた。一般の人、関係者の列はいろいろあって全く進まない。
多くの有名人も来ていた。鶴瓶さん、北大路欣也さん、吉永小百合さんなども来ていた。さすが希林さんは交際が広い。そして皆から、好かれて、尊敬されていた。
自分が病気なのに多くの人たちを励ましていた。とても出来ることではない。
裕也さん、娘さん、モッくんなども出席していた。
内田裕也さんとは30年以来別居だ。でも、同居していなくても愛があったという。不思議な夫婦愛だったようだ。
そうだ。受付に行ったら、「香典はいただきません」と言う。希林さんの意志だったようだ。こんなことは今までない。これが初めてだった。
そして、帰る時に、「希林さんからのお返しです」と言って封筒をもらった。
あれっ、香典を出してないのに「お返し」だけはもらえる。何だろうと思って見たら、希林さんの写真だ。横になって寝ていた。「死ぬくらい自由にさせてよ」と書いている。
驚いた。「希林さんらしい」と皆、言っていた。
このお別れ会では、竹中労さんの娘さんもいた。去年、山梨で「竹中労を偲ぶ会」があった。娘さんが主催していた。希林さん、水道橋博士などが出たし、随分と盛り上がった。本当にありがたいことと思う。
希林さんが竹中さんとの出会いからの話をしていた。とてもいい話だった。
でもそれから数ヶ月後、今度は希林さんが病気で倒れ、亡くなってしまった。何とも残念だし悲しい。希林さんにはとてもお世話になり、教えられた。
では我々で希林さんの「偲ぶ会」をやるか。労さんの妹さんのところに行って相談してみよう。
①樹木希林さんの葬儀が9月30日(日)に午前10時から行われました。そして、PANTAさんと一緒に行く。もの凄い人でした。お寺の周りは人、人、人でした。希林さんの本名は「内田啓子」というんですね。知らなかったです。
⑬何の映画を観たのでしょうか。中村監督の撮った映画で、私を撮ってます。これは私が演説してた時ですね。「鈴木邦男、暴力右翼。75歳」かな。いや、まだタイトルは決まってないそうですが、「右翼崩れ」とか「ダメ右翼」とか、いろいろ案があるそうです。でも、嬉しいですね。監督さん、ありがとう。