2018/06/18 鈴木邦男

「むのたけじ賞」の創設記者会見に出た

6月12日(火)午後6時半から、内幸町の日本プレスセンターAホールで行われました。「むのたけじ賞」発足の集いです。

正式には、「むのたけじ 地域・民衆ジャーナリズム賞」といいます。反骨のジャーナリスト・むのたけじさんを記念し、このあとに続こうというライターの養成を目指し、創られた賞です。

この日は、午後5時半から9Fロビーで、「呼びかけ人」の打ち合わせ。そして6時半から、「記者会見」でした。呼びかけ人は以下の6人です。

鎌田慧(ルポライター)。落合恵子(作家)。轡田隆史(ジャーナリスト)。佐高信(評論家)。鈴木邦男(のりこえねっと共同代表)。永田浩三(武蔵大教授)。武野大策(看護専門学校非常勤講師)。

皆、現役のライターですし、錚々たるメンバーだ。武野大策さんはむのたけじさんの息子さんだ(二男)。埼玉に住んでいて、むのさんは、最後は埼玉の息子宅に引っ越した。

私も、この「呼びかけ人」に入れてもらったことは光栄だ。武野さんとは何度か会っていて、対談もしている。又、息子の武野大策さんとも対談している。

むのさんは101才まで生きた。100才になった時も確か対談をした。私は100才を超えて対談した人は2人しか知らない。むのさんと、日野原さんだ。2人とも対談している。そして感動的対談だった。

むのさんには、ジャーナリストとしての覚悟を聞いた。今の日本は責任や覚悟がない。首相自らが嘘をつき、責任を取らない。そんな中でむのさんの行動は偉い。朝日新聞社の記者だったむのさんは、一人、戦争を肯定した記事を書いたことを反省し、社を辞めた。「何も辞めることはない。個人で止められなかったのだ」と、多くの人が止めた。でも、むのさんは、辞めた。他にこんな人はいない。たとえ、社に言われるままに書いた記事でも「責任」はある。それを考えて社を辞めて、郷里の横手市に戻り、週刊「たいまつ」を発行し続けた。

これも凄い。普通なら、とてもやらない。

「この人は凄い。横手には凄い人がいる」ということは親や近所の人から聞いていた。誰も責任を取ろうとしないのに、一人だけ「責任」を取った。これは凄いことだと子供心にも思った。

私は福島県郡山生まれで、その後、福島県、青森県、秋田県と、父親が税務署に勤めていたので、2、3年ずつ変わったのだ。でも、小、中学校で10年以上、秋田県にいた。だから「秋田県人」だと思っている。秋田市、横手市、湯沢市といた。横手にいた頃、むのさんは、よく父のことを取材に来て、酒を飲んでたという。父は横手市の税務署長だった。その仕事のことで取材に来てたのだろう。

「呼びかけ人」たちは、むのさんのずっと後輩だ。でも、この賞は楽しみかもしれない。

ただ「呼びかけ人」の轡田さんは、元朝日の記者で、筑紫さんや本多勝一さんなどと同期だという。

今、この「呼びかけ人」の私の肩書きが変わっていた。〈元一水会代表〉とか〈元右翼団体〉と書かれることが多い。

私はむのさんに会ってるし、むのさんの本も出来るだけ読んでいる。

不思議な人だ。たった一人で世の中を変えようとしたのだ。普通なら、「一人だけ立ち上がっても何も変わらない。無理だ」と思う。

しかし、かつて左翼のジャーナリスト・竹中労は言っていた。「人間は弱いから群れるのではない。群れるから弱いのだ」と。これは自らの体験で言ってるのだ。むのさんにも言える。

むのさんの本は高いのもあるが、新書でも随分出てる。『99歳一日一言』(岩波新書)。これは分かりやすく書いている。知らない人はこれを読んだらいい。

〈ジャーナリズムが枯れたら、そこは水のない川だ〉
〈ペンはそれを冠にしている。悪の横行を許さぬ。これがペンの役目だ〉

さらに、こうも書いている。

〈反骨はジャーナリストの基本性質だ。だから反骨のジャーナリズムは基本重視だ。「空色の空」のようだ〉

それが存在するのは、日本のジャーナリズムが反骨を失ってしまったからだ。

そして、戦争時の新聞のていたらくについても厳しく批判する。又、警察や特高が来て、検閲したのではない。そして、思いもしないことを言う。

〈ではその当時、警察や憲兵隊が報道現場に乗り込んで、検閲し取り締まった。そんな光景は、全国どこの新聞社でも全く見られない。新聞社が自己規制した。当局の検閲を受ける前に自分たちで自粛した。

又、こうも書いている。

〈…そしてどうなったか。迫害や弾圧によって自分を駄目にするよりも、自分で自己規制した。すぐに戦争が終わって、70年近くになるのに、我が身を語るのにジャーナリストという自覚はない。最近は、「メディア」という言葉を使っている。「反骨」がない。どうするつもりか。

厳しい言葉ですね。でも本当にそうですね。さて、「むのたけじ賞」、どんな作品が集まるか。楽しみでもある。

【だいありー】

「浅見光彦記念館」で。6/9(土)
「浅見光彦記念館」で。6/9(土)
世界でも珍しい記念館です
世界でも珍しい記念館です
浅見を演じた榎木さんのサインが
浅見を演じた榎木さんのサインが
内田康夫の作品群が…
内田康夫の作品群が…
美女が倒れてました
美女が倒れてました
浅見光彦の兄の机がありました
浅見光彦の兄の机がありました
兄になりかわって
兄になりかわって
兄のパソコンを使って光彦と会話
兄のパソコンを使って光彦と会話
その後、旧軽井沢の商店街へ
その後、旧軽井沢の商店街へ
有名な川上庵で並び
有名な川上庵で並び
名物「天せいろ」を食べました
名物「天せいろ」を食べました
海老の天ぷらが凄いです
海老の天ぷらが凄いです
諏訪神社に行きました
諏訪神社に行きました
教会へも行きました
教会へも行きました
可愛い犬がいました
可愛い犬がいました
懐いてきたので
懐いてきたので
あのテニスコートです
あのテニスコートです
「むのたけじ賞」発足の集い。6/12(火)
「むのたけじ賞」発足の集い。6/12(火)
永田さん
永田さん
武野大策さん
武野大策さん
佐高信さん
佐高信さん
私も話しました
私も話しました
終わって、懇親会で
終わって、懇親会で
この日は鎌田さんの誕生日でした
この日は鎌田さんの誕生日でした
最後に記念撮影
最後に記念撮影
  1. 6月11日(月)午前中、原稿。
     午後2時、取材。
     4時、対談。
  2. 6月12日(火)12時40分。新橋で北芝健氏と会う。出版社に行って対談。
     5時半、プレスセンター9Fで打ち合わせ。
     6時より、「むのたけじ賞」の創設記者会見。私と「呼びかけ人」の人たちが出席。
     終わって、懇親会に出る。
  3. 6月13日(水)昼、試写会。
     4時、対談。
  4. 6月14日(木)昼から河合塾に行く。自習室で勉強。
     3時、「現代文要約」。
     5時、「読書ゼミ」。今週読んだ本は、本間龍・南部義典の『広告が憲法を殺す日=国民投票とプロパガンダCM』(集英社新書)。これは凄い本でした。私たちが知らないことをズバリと書いている。とても勉強になりました。
  5. 6月15日(金)6時、試写会に行く。『星陵会館』で。とてもよかった。
  6. 6月16日(土)午前中、原稿。
     午後4時から、三島についての勉強会。瀧沢さんが主宰。三島原作の映画『不道徳教育講座』を観る。
     そのあと、椎根和さんと対談。かなり難しくて、私はついていけないこともありましたが、頑張って話しました。三島の作品はユルスナールとの対談で話してくれました。
  7. 6月17日(日)3時から学士会館。大下敦史さんの追悼会。白井聡氏、山本義隆氏の記念講演があった。
     6時から懇親会。

【写真説明】

「浅見光彦記念館」で。6/9(土)

①前から行きたいと思ってたのですが、やっと行けました。軽井沢にある「浅見光彦記念館」です。6月9日(土)に行きました。浅見光彦は内田康夫の書いた小説の主人公です。本は勿論、テレビ、映画にもなって、大評判になりました。【※この辺り読めません】小説は勿論、テレビも、私は見てます。大ファンです。それに、この記念館、世界で唯一です。だって作者ではなく、小説の主人公が「記念館」になっているのはこの記念館だけですから。

世界でも珍しい記念館です

②この看板、「顔のイラスト」が榎木さんに似てるような気がします。榎木さんが一番似てた。

浅見を演じた榎木さんのサインが

③榎木さんのサインがありました。

内田康夫の作品群が…

④内田康夫の作品は厖大です。それでも、どこに行き、どう解決したか。それを「地方別」に本を整理しています。これは面白いですね。

美女が倒れてました

⑤この記念館には、本の紹介だけでなく、いろんな企画がありました。二階に上がったら、いきなり美女が倒れてました。「どうした!」と思って、駆け寄ったら…。

浅見光彦の兄の机がありました

⑥浅見光彦の兄は「刑事局長」です。時々、捜査で弟をを助けてくれます。兄の机がありました。

兄になりかわって

⑦兄になれる装置がありました。

兄のパソコンを使って光彦と会話

⑧兄の机の上のパソコンで、光彦と会話しています。

その後、旧軽井沢の商店街へ

⑨記念館を出てから、歩いて旧軽井沢の中心・商店街に行きました。ここは何でもあるんですね。

有名な川上庵で並び

⑩ここが有名な川上庵です。「天せいろ」がうまいです。かなり並んでいたが、私たちも並びました。

名物「天せいろ」を食べました

⑪○○の名物の「天せいろ 上」を注文しました。おいしかったです。

海老の天ぷらが凄いです

⑫エビ天が凄いんです。豪華です。

諏訪神社に行きました

⑬そのあと、諏訪神社に行きました。かなり古い神社です。

教会へも行きました

⑭軽井沢は教会でも有名です。「チャーチ通り」では、いろんな教会を見ることが出来ます。一つの教会に入って祈りました。

可愛い犬がいました

⑮商店街を歩いていたら、とても可愛い犬がいました。

懐いてきたので

⑯懐いてきました。つい情が移って、「飼ってみたい」と思いましたが、この店のか飼い犬だからダメでした。

あのテニスコートです

⑰テニスコートです。

「むのたけじ賞」発足の集い。6/12(火)

⑱6月12日(火)。午後6時半より、日本プレスセンターAホールで、「むのたけじ賞」発足の記者会見がありました。大勢の人が集まりました。この賞は正式には「むのたけじ 地域・民衆ジャーナル賞」と言います。むのさんを慕う人が作り、むのさんに少しでも近づこうという思いで作りました。

永田さん

⑲永田浩三さん(元NHK。武蔵大教授)。

武野大策さん

⑳むのたけじさんの息子さん。二男の武野大策さんです。看護専門学校非常勤講師。

佐高信さん

㉑佐高信さんも熱く語ってくれました。

私も話しました

㉒私もむのさんには100才の時にお会いしています。この時、むのさんと子供時代の話をしました。

終わって、懇親会で

㉓8時半に終わって、このあと懇親会でした。私も挨拶しています。

この日は鎌田さんの誕生日でした

㉔この日は鎌田慧さんの誕生日でした。そして皆で「ハッピーバースデー to uou」と歌いました。

最後に記念撮影

㉕最後に記念撮影をした。

【お知らせ】

  1. 6月21日(木)ユリアの館。公開収録イベント。午後7時から高円寺グレイン。私も出ます。
  2. 6月30日(土)。快楽亭ブラック、鈴木邦男と時事放談。午後6時〜。新宿二丁目「道楽亭」。木戸銭2500円。
  3. 7月11日(水)一水会フォーラム。午後6時半。ホテルサンルート高田馬場場。講師:前川喜平さん(前文科省事務次官)。演題:「昨今の騒動の真相に迫る」。
    6、7、8、9月の一水会フォーラムは同じ場所です。申し込みは電話・FAXで。電話:03(3364)2015。FAX:03(3365)7130。E-Mail:info@issuikai.jp
  4. 8月17日(金)一水会フォーラム。北川正人氏(千代田化工建設株式会社元社長)
    「世界地図の真のとらえ方(仮題)」。
  5. 9月11日(火)一水会フォーラム。講師:田母神俊雄氏。