2018/06/11 鈴木邦男

憲政、参院、古武道…と、凄い集会に出た!

小林よしのりさんと。6/2(金)ロフト
小林よしのりさんと。6/2(金)ロフト
中島岳志さんと
中島岳志さんと
よしりんに、パネラーの人たち
よしりんに、パネラーの人たち
超満員のロフト9
超満員のロフト9

「これは凄い!」と思わず、唸るような会合に出ている。

それが、いくつもある。開催に私が関係しているわけではない。こっちはただの一人の「参加者」だ。だから客観的に見れるし、「これは凄い!」と言えるのだ。

たとえば、6月2日(土)、渋谷の「ロフト9」で、「ゴーマニズム宣言」のイベントがあり小林よしのりさんが出演した。

これは行かなくちゃと思ったら、予約はソールドアウトで、もう入れないという。店長に電話し、無理に一人だけ入れてくれと頼んだ。

小林さんとは昔から知ってるし、立ち見でもいいから聞きたいと思った。そしたら、「関係者」ということで入れてくれた。

凄い人だった。「ゴー宣」は今、「週刊SPA!」に戻って大躍進中だ。

中島岳志さんも来ていた。もしかしたら、渋谷ロフトが始まって以来、最大の集まりだと思う。

榎木孝明さんと。6/3(日)
榎木孝明さんと。6/3(日)

そして、次の日、6月3日(日)だ。午後から、明大前に行く。俳優の榎木孝明さんがやっている古武道の研究会に出る。

榎木さんは子供の時から合気道、柔術などを教え込まれていた。今、自らそれらを体系づけて、分類して、教えている。武道を生活現場で生かしている。

NHKにも出てるが、たとえば、看護、介護の人にも教えている。寝たきりの人、その人が大きくて太っていたらどうやって立ち上がらせるか。動かすか。特に小柄な人が看護をしていたら、とても動かせない。それを、古武道を使って、動かす。凄い人だ。それに、体を痛めた人、老人の人のための自衛術なども教えている。

この日は、たった一人の力で、5人、10人の大男の力をはね返す方法を教えてもらう。

又、自分がどんな声を発して、相手と対するか、それも大切だという。「感謝の気持ち」でいくのと、「許せん」「死んでしまえ」という憎悪の気持ちで相手に対するのでは、全然違うという。その実例を詳しくやってくれた。これはNHKで見た時も、疑問だったので、詳しく教えてもらった。

6/4(月)。参議院会館で会見
6/4(月)。参議院会館で会見
田原総一朗さん
田原総一朗さん
宮台真司さんと
宮台真司さんと

そして次の日、6月4日(月)だ。午後から参議院議員会館の会議室。大きな会議室なのだが、満員だった。マスコミの人も多い。オウム問題と麻原の死刑についての記者会見だったからだ。

登壇者だけでも凄い。森達也、雨宮処凛、想田和弘(映画監督)、香山リカ、宮台真司、田原総一朗と豪華だ。

逮捕されている「オウム死刑囚」の半分以上は最近、東京から地方の〈死刑の出来る地方刑務所〉に移された。「いよいよ死刑も近いのか」と思われている。

中心の麻原をどうするか、という問題がある。精神は大きな疾患を抱えており、全く状況を認識、理解出来ない。でも、「麻原はオウムの中心だし、どんなことをしても麻原を処刑しないとオウム問題は終わらない」と見る人が多い。

マスコミもそうだし、そう思わされた国民の多くもそう思っている。精神科医に見せるとか、治療をしてもらうとか、考えてない。

裁判の前は、精神科医の香山リカさんたちが麻原に会い、「病状」をみた。全く、麻原は現状を認識出来ない。大きな疾患がある。

それなのに「いや、正常だ」「責任を問える」と言って、処刑しようとしている。それはおかしいのではないか。これでは、かえって、オウム事件は終わらない。だから、精神科の医者に診せてほしい。裁判、処刑はそのあとのことだ。

そうだ。この日は、田原総一朗さんも、忙しいところを駆け付けてくれた。 この日は、それに関する資料が皆に渡された。さらに、麻原の「病気」を私はこう思う、といったコメントも入っている。

このことは今までテレビでも新聞でもやってこなかった側面だ。私も聞いていて、とても勉強になった。

かつてオウムは内外の知識人、宗教家から絶讃された。「麻原は、現代のキリストだ」と言ってた人もいた。

又、東大、京大では麻原の講演会がやられ、多くの学生が集まった。サークルが主催したとはいえ、大学が許可したのだ。東大、京大が認めたと思った。それで多くの優秀な学生がオウムに入ったのだ。

さらに、ダライ・ラマなども麻原を絶讃していた。

それもあってか、麻原はダライ・ラマに30年ほど前、ひんぱんに会いに行っている。インドの北、ダラムサラにあるチベット亡命政権の村に行ったのだ。

実は私も、そこに行ったことがある。ダライ・ラマは、中国から脱出し、インドの北部に「チベット亡命政権」を作っている。というところに惹かれたのだ。ペマ・ギャルポさんが案内してくれた。それに、チベット亡命政権を支持する日本の右派運動家たちも行った。

インドのニューデリーに飛行機で行き、そこから列車で二泊三日だ。これはキツかった。

そして、ダラムサラの「亡命政権」に行く。全く、普通の村なのだが、亡命政権だ。ダライ・ラマさんに会って話していると、その辺の草むしりをしてる農夫を呼び、「この人が国防大臣です」。「この人が文部大臣です」と紹介する。

全くリアリティがない。「?」と思った。でも、ここは亡命政権なのだ。自分たちがいつかチベットに帰れたら、そこで政権を取る。その時の大臣を決めているのだ。シャドウキャビネットだ。ただし、いつ政権に就くか分からないだから、「亡命政権」といっても、かなり、夢のまた夢になる。

私たちが行ってから10年後、オウムは行ったので、このように「大臣」を紹介されたようだ。そして麻原は「これだ!」と思ったようだ。

そうか。自分たちも日本の政権を取ろうとしている。じゃ、「大臣」を作ってみようと。後に、オウムで「○○大臣」を乱発したのは、この時の体験があったからだと思う。

そして、部下の人間から、「大臣」を作る。オウムの組織が大きく変わった。〈麻原独裁〉から、かなり「民主的な組織」になった。

でも、これはいいことかどうか分からない。アーチャリーによると、これはオウム崩壊の前段階になったという。つまり「麻原独裁」だったら、サリン事件などは起こらなかった。と言う。

ホントかな、と思うが。あるいは、そうかもしれない。そのことがあったので、私は、このダラムサラの話をした。

他には、田原さん、森さんなどが重要な話をしていた。

樋田さん。6/5(火)一水会フォーラム
樋田さん。6/5(火)一水会フォーラム
会場は満員
会場は満員
樋田さんと
樋田さんと

そして6月5日(火)は一水会フォーラムだった。元朝日の樋田さんが話してくれた。これが実に衝撃的な話だった。赤報隊事件後、犯人を探して右翼300人に会ったという。この300人の中には、大阪の畑時夫先生や岡山の武山さんなど、歴史的な人物もいる。とても勉強になる話だった。次はこの話を中心にして本を作って下さいとお願いしました。

鳩山由紀夫さん。6/6(水)。憲政記念館
鳩山由紀夫さん。6/6(水)。憲政記念館
立ってる人もいます
立ってる人もいます
「オールジャパン総決起集会」
「オールジャパン総決起集会」

そして、6月6日(水)だ。午前11時半、電話があった。「鈴木さんを待っている」「今日、打ち合わせの約束をしてた」という。アエラの編集者だ。あっ、しまった!と思い、急いでタクシーで行く。先週は北芝健さんで失敗した。

手帳には書いてるはずなのに、忘れたのかと思った。だから翌6月7日(木)は、早目に学校へ行った。

ところが学校に行くと、「やっぱり邦男さんは来た!」と皆に笑われた。今日は学校が休みだったのだ。調整日で休みだ。先週、聞いていたのに。ダメだな。でも、忘れて、サボったわけじゃないから、いいか。

そうだ。6月6日(水)、アエラの人と会った日だ。11時に会って、打ち合わせをして、そのあと、午後4時から憲政記念館に行った。

安倍政権打倒の集会だ。今までこの会館にはよく行っていて、何十回も行っている。でも、驚いた。今までの中で、一番人が集まっている。一番熱い集会だ。又、一人一人の話もいい。実に充実していた。こんなに人が集まるのは初めてだ。

壇上に書かれた看板もいい。〈6.6 オールジャパン総決起集会〉。そして〈愛・夢・希望の市民政権樹立へ!〉

30人ほどの人が次々と出て、喋る。そして鳩山由紀夫さんがいる。沖縄の山城さんがいる。共産党の穀田さんがいる。立憲、国民民主、自由党の人がいる。山田正彦さん、伊藤肇さん、東京新聞の望月衣塑子さんがいる。代表の植草一秀さんがいる。もの凄い豪華だ。

そして一人一人の内容もよかった。実に深いし、皆の胸に届く。私も頑張って話しました。孫崎享さんもいた。山本太郎さんも、アジってました。

〈安倍政権打倒〉を謳ってますが、単なる「打倒運動」で終わってはいない。いい話ばかりだ。一人一人と対談したいと思ったところだった。

そんな内容の濃い、ただ発言するだけでなく、人の心に訴える集会が連日のようにあって、とても勉強になりました。

寺脇研さん
寺脇研さん
山本太郎さん
山本太郎さん
植草一秀さん
植草一秀さん
共産党の穀田さん
共産党の穀田さん
望月衣塑子さん
望月衣塑子さん
私も喋りました
私も喋りました
後ろから壇上は見えません
後ろから壇上は見えません
孫崎享さんと
孫崎享さんと
黒川さんと
黒川さんと
沖縄の山城さんと
沖縄の山城さんと

【だいありー】

  1. 6月4日(月)12時。参議院議員会館。「麻原問題を考える記者会見」。
     出席者・森達也。雨宮処凛。想田和弘。香山リカ。宮台真司。田原総一朗。高橋弁護士。鈴木邦男も。
  2. 6月5日(火)6時半、一水会フォーラム。講師・樋田毅さん。
  3. 6月6日(水)午後4時から、憲政記念館。「オールジャパン総決起集会」。
  4. 6月7日(木)学校。午後3時、「現代文要約」。
     5時、「読書ゼミ」。でも、この日は休みだった。
  5. 6月8日(金)図書館。
  6. 6月9日(土)午前8時、落合駅集合。軽井沢の「浅見光彦記念館」へ行く。
     落合→関越道→軽井沢。文学の旅はとてもよかったです。
  7. 6月10日(日)雑誌の対談。中野区長の選挙に行く。

【写真説明】

小林よしのりさんと。6/2(金)ロフト

①6月2日(土)午後2時。小林よしのりさんと。渋谷ロフト9。「週刊SPA!」創刊30周年。「SPAフェス」。〈小林よしのり「ゴー宣道場出版。保守とリベラルの役割。そして立憲〉。もの凄い人だった。予約はすでにソールドアウト。私は、頼んで何とか入れもらう。よしりん以外にも豪華なメンバーが。中島岳志。高森明勅。笹幸恵。泉美木蘭。倉持麟太郎…。面白かったし、とても勉強になりました。

中島岳志さんと

②中島岳志さんと。前は北海道大学に勤めてましたが、今は東京工業大学です。新しい本をもらいました。『超国家主義』(筑摩書房)。とてもいい本です。「煩悶する青年とナショナリズム」とサブタイトルは出てます。

よしりんに、パネラーの人たち

③壇上のパネラーです。(左から)倉持麟太郎さん(弁護士)。笹幸恵さん。小林よしのりさん。中島岳志さん。泉美木蘭さん。

超満員のロフト9

④会場は超満員でした。ロフト9が始まって一番入ったでしょう。

榎木孝明さんと。6/3(日)

⑤6月3日(日)明大前で、俳優の榎木孝明さんと。榎木さんが古武道の実践を教えてくれます。

6/4(月)。参議院会館で会見

⑥参議院議員会館で、6月4日(月)、麻原問題を語る集会です。私も発言者席に座ってます。

田原総一朗さん

⑦田原総一朗さんも忙しい中、駆け付けてくれました。

宮台真司さんと

⑧宮台真司さんと。

樋田さん。6/5(火)一水会フォーラム

⑩6月5日(火)一水会フォーラム。赤報隊について。樋田さんが講演してくれました。

会場は満員

⑪会場は満員でした。

樋田さんと

⑫樋田さんと。

鳩山由紀夫さん。6/6(水)。憲政記念館

⑬6月6日(水)、トップは鳩山由紀夫さん。「オールジャパン総決起集会」です。

立ってる人もいます

⑭立ってる人もいます。これだけ人が入ったのは初めてです。

「オールジャパン総決起集会」

⑮〈オールジャパン総決起集会〉と書かれてます。〈愛・夢・希望の市民政権樹立へ!〉と書かれてます。

寺脇研さん

⑯寺脇研さん。

山本太郎さん

⑰山本太郎さん。凄いアジ演説でした。

植草一秀さん

⑱この集会の代表者、植草一秀さん。

共産党の穀田さん

⑲共産党の穀田さんです。

望月衣塑子さん

⑳望月衣塑子さんです。

私も喋りました

㉑私も喋りました。

後ろから壇上は見えません

㉒もの凄い人々でした。後ろから壇上は見えません。

孫崎享さんと

㉓孫崎享さんと。

黒川さんと

㉔黒川さんと。四国から上京し、東京にアパートを借りて運動してます。

沖縄の山城さんと

㉕沖縄から来た山城さんと。

【お知らせ】

  1. 6月12日(火)「地域・民衆ジャーナリズム賞=「むのたけじ」と共に=」の創設の集い。プレスセンター。武野大策さん他。又、鈴木も「呼びかけ人」の1人として出席します。
  2. 6月21日(木)ユリアの館。公開収録イベント。午後7時から。私も出ます。
  3. 7月11日(水)一水会フォーラム。午後6時半。ホテルサンルート高田馬場場。講師:前川喜平さん(前文科省事務次官)。演題:「昨今の騒動の真相に迫る」。
    6、7、8、9月の一水会フォーラムは同じ場所です。申し込みは電話・FAXで。電話:03(3364)2015。FAX:03(3365)7130。E-Mail:info@issuikai.jp
  4. 8月17日(金)一水会フォーラム。北川正人氏(千代田化工建設株式会社元社長)
    「世界地図の真のとらえ方(仮題)」。
  5. 9月11日(火)一水会フォーラム。講師:田母神俊雄氏。