2018/04/09 鈴木邦男

なぜ人は転ぶのだろうか

①「歩く」とは何か

病院なんか行きたくないのに、皆が、「行け!行け!」と言う。「鈴木さんの体を心配してるんですよ。検査してください」と言う。

「この前、したからいいよ」と言ったのに、「一ヶ月も経ったんだから、もう一回行かなくちゃ、ダメです」と言う。木村氏も、瀧沢さんも、皆、言うんだ。

それで行かされましたよ。河合塾の福田さんが迎えに来て、行きました。たっぷり時間をかけて検査しました。ICやらMRIやら、それに名前も知らない機械で検査されました。さらに血液検査まで。血を抜かれたんですよ。怖かったですね。

これで異常がないんだから大丈夫でしょう。

怪我がだいぶ治って来ました。もう元のままと言ってもいいくらいです。

あとは、歩くと疲れやすいし、転びやすい。そこだけを気を付ければいいんですね。

いろんな人がいろんなアドバイスをしてくれます。「右足を出したら、次は左足を出して地面を蹴るんですよ」とか。「両手は大きく振って歩く方がいいでしょう」とか。

それで、仕方なく最近は、「歩く」とはどういうことか、考えている。調べている。

普通の辞書だと、「歩く」を調べても、「歩くこと」「足を動かして体を前へ進ませること」くらいしか出ていない。

でも私の持ってる森田良行の『基礎日本語』(角川書店)は違うんです。まず、こう書かれている。

〈人や動物がふつうの速度・歩幅で足を交互に動かし、平坦な場所を一歩一歩踏みしめて移動する〉

何やら、随分と慎重な定義のようだが、これにはワケがある。

「分析1」〈歩く〉には幾つかの条件がある。と書かれている。このいくつかの条件を満たさなければ、これは「歩く」ように見えても「歩く」ではない。今、私は正しい歩き方を考えているが、そんな私にもとても役に立つ。

では、その「条件」だ。「三つの分析」が書かれている。その条件の一つだ。

⑴胴体を足で支えて宙に浮かし、足を動かして前進する動作であること。胴体が地についていれば、「はう」。「歩けないのではって便所に行った」。また、特に足を使わなくても「はう」。「蛇がはう」「ナメクジがはう」。ただし、「赤ん坊がはって歩く」のように、手足を使う移動行為には「歩く」が使えるが、「はって歩く」のような言い方をし、「逆立ちして歩く」のように足の代わりに腕を使って前進する場合には「歩く」が可能だ。手や足を使っても、下から胴体を支えない。「鉄棒にぶら下がって前に進む」などは「歩く」ではない。足を使っても腹部が地に近い場合、体をくねらせた場合は「百足(むかで)がはう」「鰐(わに)が地べたをはう」などと言う。

⑵平坦な場所での前進。足の交叉運動に強い傾斜角度がないこと。「階段を歩く」「梯子を歩く」とは言わない。平坦な場所での前進、足の交叉運動とは限らない。〈分析1〉も〈分析2〉も、やけに詳しいですね。必要十分条件を書いてます。では、三つ目の条件だ。

⑶足が時間をかけて大きく地から離れないこと。つまり胴体が常に一定の高さにあって前進する運動。「跳ぶ」「跳ねる」との違いである。なるほど、詳しいですね。「跳ぶ/跳ねる」は足の交叉運動とは限らないし、前進しなくてもよい。「体が宙に浮き上がる」運動。

②「移動行為」だから…

⑷足の交叉運動は、普通の速度で歩幅が極端に大きくならない。意識的に広げ速めれば「走る/駆ける」となる。「急いで歩く」「速く歩く」は、速度を上げるだけで体を支える方の足先が地から跳ね上がらない状態での前進。やはり詳しい。〈分析2〉では、こう書かれている。「歩く」は移動行為であるから、移動のコースが問題となる。文型的にはコースを「〜から〜まで」で示す言い方だ。「〜へ」で示す言い方もする。

そして例文が詳しく出ている。「分析3」だ。

「歩く」は乗り物に乗らず、自分の足で移動する行為。

「雨の日は歩かずにバスで行く」「竹馬のように自身の足の運動で前進するのなら、もちろん「歩く」と言える。古語の「ありく」(=歩く)は、人が出かけ、移動すること。乗り物を利用しても、「ありく」であった。

今日でも、「出歩く」などは、乗り物を利用した移動行為にも言える。「ながれ歩く」「渡り歩く」など、特に徒歩を意味しない「歩く」もみられる。

…と、そんな感じで、「歩く」の説明は続く。

だからこれは、「辞書」と言いながら、分からない言葉をを引くことはない。知ってる言葉(知ってると思ってる言葉)の意味を考える本なのだ。

この『基礎日本語』、これは、じっくりと読む本だ。

私も、とても興味があって、読んだ。全3巻だが、あっという間に読める。皆さんも是非、読んでみたらいい。

そして「歩く」「走る」とはどういうことか。「急に」「突然」はどう違うか。…などをじっくりと考えてみたらいい。これは〈哲学辞典〉でもあるな。と思った。

それと、4月5日は上野の野外スデージで演説をした。

皆は、ここは初めてのようだが、私は昔、よく来た。40年以上も前、学生の時だ。ここを借りて、大演説会をなんどもやった。学生のが分担金を出して借りられた。都のものだから安い。

そんな昔を思い出して演説した。よかったですね。詳しくは次週に。

【だいありー】

4/5(木)。上野野外ステージに千人!
4/5(木)。上野野外ステージに千人!
演説する山本太郎さん
演説する山本太郎さん
望月衣塑子さん
望月衣塑子さん
黒川敦彦さん
黒川敦彦さん
歌と踊りも入って
歌と踊りも入って
私も演説しました
私も演説しました
このステージは学生時代以来です
このステージは学生時代以来です
千人の前で演説しました
千人の前で演説しました
山本太郎さんと
山本太郎さんと
望月衣塑子さんと
望月衣塑子さんと
大口昭彦さんと
大口昭彦さんと
井筒高雄さん。山城博治さん。鈴木
井筒高雄さん。山城博治さん。鈴木
デモでたおす安倍政権! デモでたおす安倍政権!
  1. 4月2日(月)朝8時、河合塾コスモの私の担当フェロー・福田さんに叩き起こされた。そのまま車で病院に。
    先月、連れて行かれた病院だ。「もう一回、検査してもらいましょう」と言う。
     CI、レントゲン、MRIなど、徹底的にやられた。福田さんは1日に3回は電話を寄越す。「先きてるか?」「大丈夫か?」と。「何かあったらすぐ救急車を呼びます」と言う。
    この時、病院から帰ってきて寝ていた。
  2. 4月3日(火)家で寝ていた。
当日の登壇者 当日の登壇者
  1. 4月4日(水)午前中、散歩。それから寝ていた。
  2. 4月5日(木)夕方、上野に行く。「4.5主権者が政治を変える!さくら祭り」。
     16時半から20時。上野公園の野外ステージ。
     第1部〈沖縄と共に原発を考える〉。第2部。〈安保法制違憲〉。〈森友・加計問題〉。
     スピーチは、伊藤真、上原公子、山城博治、井筒高雄、植草一秀、鈴木邦男他。
『経営塾』(4月号) 『経営塾』(4月号)
  1. 4月6日(金)午前10時、河合塾コスモ。全体会。午後1時からコスモ入塾式。
  2. 4月7日(土)午前中、寝てた。午後3時、韓国映画「沈黙」を観る。そのあと映画についての対談に出る。
  3. 4月8日(日)午前10時新宿発の電車で甲府へ。午後1時より山梨県立文学館で、「竹中英太郎と竹中労。父子を偲ぶトークのつどい」。
     ゲストに樹木希林、水道橋博士、喜国雅彦、大工哲弘、竹中紫他。満員でした。
     なかなかエキサイティングなシンポジウムだった。
     二次会も出て、最終の電車で新宿へ帰る。

【写真説明】

4/5(木)。上野野外ステージに千人!

①4月5日(木)夜6時より、上野公園の中にある野外ステージで、画期的な集会がありました。〈主権者が政治を変える!さくら祭り〉。とても懐かしかったです。実は、学生時代(1960年代)に、よくここを借りて、右派学生が政治集会をやってました。日比谷野音、新橋駅前、上野野外ステージ…この三つが演説の聖地でした。私らがかつてやっていた場所で又、やるのです。興奮しました。ここは千人入ります。ほぼ満員でした。

演説する山本太郎さん

②山本太郎さんが演説しています。

望月衣塑子さん

③東京新聞の望月衣塑子さんが演説しています。

黒川敦彦さん

④黒川さんが。山口の選挙区で安倍さんと闘った人です。

歌と踊りも入って

⑤歌もあり、踊りも、音楽もあります。これは我々が学生時代にはなかったことです。とても元気付けられます。

私も演説しました

⑥私も演説しました。

このステージは学生時代以来です

⑦学生の頃、ここを使い、今再びここに立っている。感動です。そんな話から始めました。

千人の前で演説しました

⑧千人の前で喋るなんて、なかなかないです。嬉しかったです。

山本太郎さんと

⑨山本太郎さんと。

望月衣塑子さんと

⑩東京新聞の望月衣塑子さんと。「この前は対談、ありがとうございます」と礼を言いました。

大口昭彦さんと

⑪大口昭彦さんも来てました。大口さんは早大闘争の時、全共闘の議長でした。とても怖かったです。でも今は、こうして会ってます。

井筒高雄さん。山城博治さん。鈴木

⑫(元自衛官の)井筒高雄さん。沖縄で基地問題と闘っている山城博治さんと。

デモでたおす安倍政権!

⑬この集会のチラシです。
〈安倍内閣総退陣を求めるうたとデモ〉と書かれてます。

当日の登壇者

⑭当日の発言者の写真も載ってます。私も載ってました。

『経営塾』(4月号)

⑮これは月刊『経営塾』4月号です。2月27日にキャピトルホテル東京で行われた第349回「経営塾」例会で私が講演し、その要旨が載ってます。

【お知らせ】

  1. 4月9日(月)6時半、ホテルサンルート高田馬場一水会フォーラム。佐々木良昭さん(経団連アナリスト)。演題「最新の中東情勢を考える」
  2. 5月9日(水)6時半、ホテルサンルート高田馬場一水会フォーラム。孫崎享さん「日米安保の意義を問う」。
    出席申し込みはtelかfaxで。
    tel:03-3364-2015
    fax:03-3365-7130
    mail:info@issuikai.jp