暑いですね。年々、暑くなるような気がします。日本はもう熱帯ですね。家でも、クーラーをかけっ放しです。学生時代やサラリーマン時代はクーラーなどなかったのに。一体あの頃はどうしてたんでしょうか。体力があったから、耐えられたのか。今のような猛暑・酷暑は少なかったのか。
ともかく、今年は一番暑い夏でした。8月2日(月)の「生誕100年記念トークバトル」は大きなイベントで、多くの人に来てもらいました。「ザ・コーヴ」の攻防戦や、北朝鮮行き(結局行けませんでしたが)で忙殺され、さらに、大阪、名古屋、福岡と行きました。8.2まで私も持たないのでは…、と思われましたが、無事乗り切りました。
これで、一段落と思ったのですが、ロフトはあるし、いろんな原稿はあるし、秋に出す本もあるし。そして、ヨーロッパから欧州議員団が20人、来日し、国際会議をやりました。そして靖国神社、明治神宮参拝に同行しました。世界中のマスコミがドッと殺到しました。熱い今年の夏の中でも、最も熱い出来事でした。では、そのレポートです。
フランス国民戦線のジャン・マリー・ルペン党首を初め、欧州8カ国20人の議員団が来日したのは、8月11日(水)の夕方です。会場のフォーシーズンズホテル椿山荘で夕方7時から歓迎会が行われました。7年前に、木村三浩氏(一水会代表)と共に、フランス国民戦線30周年大会に行きましたので、ルペンさんとは7年ぶりでした。覚えていてくれました。ルペンさんの活躍のDVDや本、ボールペンなどをもらいました。「おっ、ルペンのペンだ」と叫んでしまいました。
ゴルニッシュさん(国民戦線副代表)は、党大会以来も何度か日本で会ってます。欧州議員として日本の国会議員に呼ばれて、何度か来日しているのです。そのたびに、会ってました。ゴルニッシュさんは京都大学に留学したこともあり、日本語は出来ます。又、リヨン大学で日本文学を教えているので日本の歴史・文学には詳しいのです。それに奥さんが日本人です。だから、難しい話になっても奥さんが通訳してくれます。
又、今回来日した議員団の中には、「前に上智大学に留学していた」という人もおり、又、極真空手二段の人もおり、何度も日本に来ています。「レコンキスタ」運動のルーツ、スペインの議員もおり、オーストリア、ハンガリー、ルーマニアの議員もいます。カタコトの英語で喋りました。会議では同時通訳でしたから、とてもよく分かりました。
8月12日(木)、13日(金)は、びっちり会議でした。その様子は、先週、報告しました。私は13日(金)の夕方、「閉会の辞」をやりました。20分位、演説してしまいました。その時の内容も先週書きました。「凄いですね。外国人相手に笑いを取ってましたよ」と何人かの記者に言われました。本当は緊張してたのですが、余裕があったと思われたようです。多分「同時通訳」の威力でしょう。
だって、隣りに通訳がいて、喋ったことを少しずつ訳していたら、そんなことは出来ません。まず日本語で喋り、会場の日本人が、クスリと笑い、あるいは嘲笑し。次に通訳が翻訳したら、「さっき日本人が笑っていたから、笑うのが礼儀かな」と思って、無理に、少々、笑ってくれる。…という具合に、時差というか、段差がありますね。それが、同時通訳だと、(日本を含め)9カ国200人の人々がドッと笑うのです。これは壮観でしたね。感動でした。
このあと、「記者会見」があり、外国の記者から活発な質問が出ました。「これからの国際連帯はどうなる」「移民問題は?」「EUの将来は?」という質問もありましたが靖国神社の話が多かったですね。「明日、靖国神社に行かれるそうですが…」と前置きし、「どうして行くのか」「A級戦犯の合祀をどう思うのか」「自国では批判されているのではないか」…と。議員団は、それらについて、丁寧に答えていました。皆、余裕です。どんな質問をされても、イライラすることはありませんし、キレることはありません。日本の閣僚とは違います。外国の記者にとっては(日本の記者も)、国際会議よりも、「靖国参拝」の方が大きな問題であり、関心があったのでしょう。
8月12日(木)、13日(金)が国際会議。そして14日(土)は皇居と靖国神社参拝。15日(日)は明治神宮に参拝。私の同行はそこまででしたが、議員団は更に、16日(月)、17日(火)は京都、奈良に行きました。そして、18日(水)に関空から帰国しました。木村代表たちが案内しました。京都では、特別に京都御所に行ったそうです。日本の文化に触れたいと思ったのです。又、靖国神社に行ったのは、国のために亡くなった人に参拝したい。という気持が強いのです。これは同行して、ひしひしと感じましたし、感動しました。
8月14日(土)、正午に靖国神社に行きました。入ったら、何十社もマスコミが待ち構えている。写真を撮り、取材をする。沿道の一般の人々から、期せずして拍手が起こりました。感動的でした。神社側の説明を聞いて、昇殿参拝をしました。「神社は神聖、清浄な場所です。まず、水で手を洗い、口をゆすぎます。そして、お祓いをしますので低頭して下さい。その後、ルペンさんに合わせて、まず2回、頭を下げ、2回、柏手を打って、さらに1回、頭を下げます。これは…」と神社側が説明し、ゴルニッシュさんが議員団に通訳する。これが戦争で亡くなった人に参拝する日本の儀式・作法か、と皆、納得していました。
記帳し、昇殿参拝しました。20人の議員は皆、真剣に、作法通りに参拝していました。側で見ていて、感動しました。イギリス、フランスなど、かつての「戦勝国」です。国では批判する人もいるでしょう。でも、全く気にしません。これは偉いし、勇気があることだと思いました。そのあと、記者団に囲まれて、質問を受けていました。その後は、遊就館に行き、たっぷりと時間をかけて見学してました。
この日の夕方には、もうテレビのニュースに出てましたし、ネットのニュースでも出てました。
「仏極右党首ルペン氏、靖国神社を参拝」と。「MSN産経ニュース」では、こう出てました。
「重要なのは祖国防衛に命落とした人々の善意。仏極右党首らが靖国参拝」
フランスの極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首らが14日、東京・九段の靖国神社を参拝した。靖国神社広報課によると、外国の政党党首による参拝は異例という。
ルペン氏は参拝後、靖国神社にA級戦犯が合祀されていることについて、記者団に「重要なのは祖国防衛のために命を落とした人々の善意だ」と話した。菅直人首相が靖国神社の公式参拝をしない意向を示したことには「日本政府の問題なので何とも言えない」と述べた。
ルペン氏は1972年にFNを結成し、移民排斥、反欧州統合、死刑の復活などを主張。日本の民族派団体「一水会」の招きで来日した(共同)。
産経のネットニュースだが、共同の記事なのか。では、産経の記者は来てなかったのか。どこのニュースでも、そうだったが国民戦線を「極右政党」と皆、書いている。これもおかしい。フランス議会、欧州議会では、かなりの議席を持った、れっきとした政党だ。それにフランスのサルコジ政権も、国民戦線の政策をかなり採り入れて、政権運営をしている。それなのに、「極右」と切って捨てるような書き方はいかがなものか。
又、移民問題には頭を痛め、様々な提言をしているが、「移民排斥」はしていない。これだと、移民に襲いかかるネオナチ…というイメージだ。そんなことは一切やってない。そんなことをしたら議員にはなれない。又、ルペンさんもゴルニッシュさんも欧州議員だ。EUを認め、評価しているから、その議員にもなっている。ただし、EUはこれでいいとは思っていない。批判もし、改善策も言っている。それなのに「反欧州統合」と言われる。又、フランスは死刑を廃止している。EUもそうだ。それは認めるし、それに従いながら、でも、ルペンさんは、「個人的には死刑に賛成だ」と言うこともある。それだけの話だ。
さらに、これもMSN産経ニュースからだが、こんな記事も出ていた。
「世界への公然たる挑発」と靖国参拝の仏党首批判。新華社
中国国営通信の新華社は14日、フランスの極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首らが東京・九段の靖国神社を参拝したことを報道、同党首らがファシズムや排外主義を宣伝し、「世界の主流の価値観に対し公然と挑発している」と批判した(共同)
しかし、「世界平和をもたらす愛国者の集い」だし、世界の愛国者同士が話し合うことによって戦争を防止しようという趣旨だ。ファシズムや排外主義ではない。さらに、他のネットニュースでは、受け入れた一水会について、「南京事件や従軍慰安婦は存在しないと全面否定している」なんて書かれていた。そんな人なんて誰もいないのに。
新聞では、15日付の「東京新聞」、16日付の「朝日新聞」に載っていた。それで知った人も多かったようだ。東京新聞は(共同)と出ており、産経のネットニュースとほとんど同じだ。ただし、16日付の朝日新聞はその場に来て取材していた。(石川智也)と、ちゃんと書いた人の名前も出ている。ちなみに、この石川記者はかつて連載コラム「おやじの背中」を担当し、私の原稿を担当してくれた記者だ。奇遇ですね。では、この朝日の記事を紹介しよう。
欧州の右派政党幹部 前日参拝
仏・ルペン氏「敬意は当然」
14日昼には、東京都内で12日から開かれた「愛国者の集い」に出席した欧州8カ国の右派政党幹部たちが靖国神社を訪れた。外国メディアら数十人に取り囲まれるほどの注目を集めたのは、仏右翼政党「国民戦線」のルペン党首=写真中央=。参拝後には、「立場に関係なく、国のために闘った人に尊敬を持って参拝するのは当然」と語った。
同神社によると、外国の政党幹部の参拝は異例。一行を案内した宮沢佳広禰宜も、「国に命をささげた人に敬意を持つのはどの国も共通。(参拝は)歓迎です」と話した。
「集い」は新右翼団体「一水会」などが主催。来日した右派は移民制限や反グローバリズム化を訴え、一定の支持を得ているが、一水会の鈴木邦男顧問は、「自国を愛することが他国の排斥につながってはならない。そのためにも愛国者が直接交流することが大切だ」と趣旨を説明した。
一方、取材した英インディペンデント紙日本特派員のデイビッド・マクニール記者は、「日本のナショナリストと連合国側の英国やフランスの愛国者が、手を携えて靖国を参拝する。普通の感覚では理解できない」と話していた。(石川智也)
そうですね。「普通」なら理解できない。先週書いたように、為政者は自らの失政や国民の不満を外に向けるために、「外国の脅威」を煽り、「外国」への敵愾心を煽る。その時に一番、利用されたのが愛国者だ。戦争はだから、常に「愛国者」と「愛国者」の戦いだった。それも、為政者、マスメディア、噂、謀略によって煽られて…。愛国者同士が直接、会うこともない。話し合うこともない。そうはさせないのだ。そして、自らのマスメディアを使って、敵愾心を煽って、愛国者を先頭に戦わせる。だからこそ、平和な時も、紛争がある時も、まず愛国者同士が話し合い、第一次情報を共有しあう。それでこそ、世界の平和も実現される。と思う。
その第1回の会合を今回はやったのだ。一般の人々には「信じられない」「理解できないこと」をやったのだ。快挙だったと思う。
ゴルニッシュさんはカソリックの信者だ。「でも、靖国神社は国のために亡くなった人が眠っている。神社の作法で、亡くなった人に参拝する。それも当然だ」と言う。イスラムやユダヤ教の国に行き、そこで戦没者の参拝をする時も、その宗教の儀式、作法でやる。それがその国の参拝の仕方だから、それに従う、と言っていた。
これには感動した。日本人の中でも、「自分はキリスト教だから参拝しない」と意固地になって言う人もいる。それに比べて、寛容だし、心が広い。移民問題などでも、真剣に取り組んでいるのに、日本のマスメディアは「フランスの極右政党」と言う。「極右」と言って切り捨てる。朝日新聞だけだね、「右派政党」と書いていたのは。
靖国神社、明治神宮の人も、「外国の政党の人の参拝は極めて稀だ」と言っていた。多くの人が来てると思ったが、ほとんどいないのか。外国人の参拝客は多いが、「政党」となると、又、別なのかもしれない。自国のマスコミや国民から批判されるかもしれない。特に今回の議員団は、かつて日本と戦った「戦勝国」の人々が多い。遊就館でも「西欧列強のアジア侵略が戦争の原因だ」という説明・展示を見ている。複雑な思いもあるだろう。しかし、それらを超えて、国のために亡くなった人にお参りをする。これは日本人として、ありがたいと思ったし、感動した。この真心、誠が新しい世界平和をつくる礎になると思う。
終わって生徒と話していたら、「最近、リエちゃん来ないね」という話になりました。コスモ生の時は、毎日、早朝から夜までコスモにいた。2年間も。ところが女子大に入った途端、1度も来ない。不思議だね。「大学がよっぽど楽しいのかしら。私たちを忘れちゃったのかしら」と。「ネコは家につくからね」と私。
その後、人に会って、西武線に乗って帰ったのです。隣りにユカタを着て、化粧した美女がいた。あれっと思ったら、何とリエちゃんでした。「今日、学校でリエちゃんのことを話してたんだよ」と言いました。そしたら、正面に立ってた青年が、「鈴木さん」と言う。「えっ、君もコスモ生?」「違います。本を読んでます」と言う。デジタル・ハリウッド大学の大学院生だった。そこに昔、出版部があって、私は、チュチェ思想研究会理事長の井上周八さんと対談し、本を作ったのだ。という話をした。私は中井で降りたので、「あとは2人で話をしたら」と言いました。不思議な体験です。午前中は幽霊の絵を見て、午後は不思議な『荘子』の話を聞き、夜も、不思議な体験をしました。
③靖国参拝の前に、皇居に行きました。楠木正成の銅像の前で、ゴルニッシュさん(中央)が欧州議員に説明します。「この人は南北朝時代の忠臣で、天皇のために戦った人です」と。ゴルニッシュさんは京大に留学してましたし、リヨン大学では日本文学史を教えています。だから、詳しいのです。三島由紀夫、川端康成も好きなんです。ゴルニッシュさんの、1人おいて右がルペンさんです。
④8月14日(土)。この日は、皇居、靖国参拝に行き、夜は羽田から屋形船に乗って、東京湾クルーズでした。そして花火を見ました。台風の後で、波は荒く、船はかなり揺れました。でも、皆、元気一杯で、飲み、かつ歌っておりました。右は、ルペンさんご夫妻です。左はゴルニッシュさんご夫妻です。前にいるのは私です。この時は私もまだ元気だったのですが、私だけ、船酔いして、大変でした。
⑩8月12日(木)夜、ロフトプラスワンで。昼は、「世界愛国者会議」。夜は、高須基仁プロデュースのイベントに出たのです。第1部は、三井環さんの新刊出版記念会。第2部は憲法映画「太陽と月と」の予告編を流し、憲法についてのトーク。(左から)朝堂院大覚さん、前田日明さん、福原進さん(「太陽と月と」の監督)、鈴木、高須基仁さん。福原さんは、「今、最も憲法を守っておられるのは天皇陛下です」と言ってました。「イギリスの女王が国連で演説した。日本の天皇陛下や皇太子さんも国連で演説してほしい」と言ってました。なかなか、大胆な事を提言してました。
⑫8月15日(日)昼は、欧州議員団と共に明治神宮を参拝してきました。夜は、6時から、ネーキッドロフトです。「卒戦を考える」。戦争を卒業しようという企画です。「愛国者会議」の話を私はしました。愛国者同士が話し合うことで、戦争をなくせる。「卒戦」を率先してやっている!と。
左から、田中優さん。初対面でしたが、話は面白いし、とても勉強になりました。そして、きくちゆみさん。元「CanCam」のモデルだったそうです。だから、美人の活動家です。そして私。その隣りは、マエキタミヤコさんです。世界中を回ってたそうで、日本語がカタコトです。とても楽しくて、しかも「卒戦」のための具体的な話が出来ました。これで終わるんじゃ、もったいないな。本にしたらいいのに。と思いました。
⑮8月17日(火)午後7時、阿佐ヶ谷ロフト。ツルシカズヒコ『SPA!黄金伝説』(朝日新聞出版)の出版記念トークが行われました。その開始直前に、控え室で。左から、神足裕司さん、鈴木、ツルシカズヒコさん(週刊「SPA!」第3代編集長)、吉田豪さん、枡野浩一さん。